事業目的の注意点
事業目的とは
事業目的とは、会社が行う事業(ビジネス)の内容のことです。
法人化は事業目的に記載された範囲内においてのみ有効とされています。わかりやすく言うと、事業目的に記載されたこと以外の事業を行う場合は、法人とは認められないということです。この事業目的は会社設立の際、必ず要ることになる定款に記載されます。また登記事項(法務局に登録する事項)ともなっています。実際の事業目的の記載例は下記のようになります。
事業目的の記載例
- 士業
- 会計事務所の運営
- インターネットを使った通信販売業
- 牛肉の卸および販売
- 前各号に付帯する一切の業務
この目的は定款や法務局に提出する書類(登記すべき事項)に記載されます。
定款に記載された場合の表記は以下のようになります。
定款に書かれた事業目的の事例
(目 的)
第2条
当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
- 士業
- 会計事務所の運営
- インターネットを使った通信販売業
- 牛肉の卸および販売
- 前各号に付帯する一切の業務
では、次に事業目的と許認可について説明します。
事業目的と許認可の関係について
事業目的に記載した事業において許認可が必要なものには注意が必要です。許認可とは、通常には禁止されているビジネスを一定の要件を満たしている場合に限り許可をするというもので、例えば古本屋を営む場合「古物商許可」が必要になります。
この許可が無いと古本屋をビジネスとしては行えません。許認可を取得する場合には一定の規模の事業所、設備等が必要になることもあるため注意しましょう。
また、紹介予定派遣業を行う際には事業目的に「有料職業紹介」という文言の記載が必要です。行う予定の事業が以上のものに該当するかしないかを十分に注意して記載しましょう。
目的の組み合わせについて
事業目的の組み合わせにも注意しなければなりません。具体的に言うと、紹介予定派遣業を行う予定のとき、事業目的に「有料職業紹介」という文言を記載する必要があります。しかし、この文言の他に「風俗営業関連」の目的が記載されている場合には担当の役所から許可が出ないことがあり、十分な注意が必要です。このページで「事業目的と許認可については理解できたが事業目的の書き方がわからない」という方は、下記に事業目的の書き方を説明しておきますので参考にしてください。
事業目的の書き方
事業目的に必要な4つの要素
事業目的には次の4つの要素が必要です。
「明確性」 誰が読んでも理解でき明確であること。
「適法性」 事業の目的に違法性をもたないこと。
「営利性」 利潤を追求すること、ボランティアの旨の目的は認められません。
「具体性」 事業内容が具体的でわかりやすい。
これら4つの項目に注意を払いながら事業目的を考えます。
具体的な事業目的の書き方について
設立する会社で行いたい事業、将来的にやりたいビジネスを紙に書き出しましょう。書き出す際の注意点としては上記の4つに留意すべきです。目的は一つである必要はありませんし、書き出した事業の内容に脈絡がなくてもかまいません。また、事業目的に書いたからといって、その事業を必ず行わなくてはいけないということではありません。将来的な事業として考えている場合は、あらかじめ記入しておくことをお勧めします。